梅雨の大雨による大規模な土石流で甚大な被害に見舞われた熱海市の被災地の復旧、原因解明に向けて、地元選挙区の勝俣孝明衆院議員は7月3日夜、自民党熱海市議団から被害状況を聴き、住民らの要望を聞き取った。
議長室で被災地区の地図を広げ、藤曲敬宏県議、越村修市議会議長、赤尾光一同副議長、杉山利勝、田中秀宝市議と土石流の発生原因について意見交換した。
議論が集中したのは、土石流が起きた逢初川の上流方向(熱海市日金町)で行われていた多目的な宅地造成事業との因果関係。13年ほど前に前の土地所有者が大規模な住宅・別荘開発を計画し、途中でとん挫。その土地を買い取った現在の所有者が2016年ごろに太陽光発電施設(メガソーラー)を申請し、ソーラーパネルを建設した経緯がある。これが今回の土石流発生でネットメディアなどで話題になり、“メガソーラー犯人説”が浮上していたからだ。
しかし、メガソーラー建設は広大な土地のほんの一部で、土石流が起きた水流とは違った位置にあり、結論は因果関係は少ないという見立て。その一方で、前の土地所有者が手がけた土地造成、それに伴う大規模な木の伐採については、今後も慎重に調査を続けていくことを確認。天候回復後に現地に入りして、ドローンを活用するなどして検証する方針だ。
勝俣氏は「住民の生活再建に向け、市、県との連携を密にして、全力で支援する」と述べ、市議団との意見交換後は、市長室を訪ね、齋藤栄市長から政府への要望等を聞いた。
川勝平太静岡県知事は4日、県の対策会議で土石流が起きた逢初川上流の調査結果を公表。「盛り土のところから崩落が起こったという一次的な報告が来ている」と話し、前の土地所有者の開発に問題があったとの認識を示すとともに、メガソーラーについては「直接の因果関係はないと聞いている」と説明した。
知事は5日に現地入りし、専門家と被災現場を見て何が原因だったか判断したいと意気込むが、「天災」が「人災」に変われば、国の災害補償にも大きな影響を与える。被災者からは慎重な発言を求める声も出ている。
(熱海ネット新聞)
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