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市長選の最中、昨年7月に熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流災害を巡り、崩落した盛り土があった土地の現所有者・麦島善光氏(86)が9月6日、熱海市が必要な措置をしなかったため人的被害が発生し、土地の価値が下がったとして、齋藤栄市長に10万円の損害賠償を求め、静岡地裁沼津支部に提訴した。麦島氏は2011年に前所有者から3億円で土地を購入した。
訴状によると、齋藤市長は盛り土の危険性を認識していたにもかかわらず、前所有者に安全対策を講じさせる措置命令を発令せず、発生前日から災害の危険が迫っていながら避難指示を出さなかった。このため、盛り土が崩れ、27人(災害関連死1人含む)が亡くなった「事故物件」となり、土地の価値は失われたとしているとしている。
国家賠償法では、安易に認定すると公務員の活動を必要以上に委縮させてしまうため、「公務員個人は責任を負わない」とする判例が多いが、代理人の河合弘之弁護士(写真)は「極めて重大な過失は個人の責任が問われるべきだ。因果関係の最後の引き金を引いたのは市長」と主張した。
被災者や遺族らは土地の前・現所有者、県、市に損害賠償を求めてすでに提訴しており、一連の訴訟と併合して審理される。今回の提訴は、損賠額が10万円と少額。金銭目的ではなく、市長を個人として、審理に参加させることが狙いとみられる。
齋藤栄市長は「現土地所有者の訴えている詳細が不明であり、訴状も届いていないため、現時点でお答えできることはございません」とのコメントを出した。
(熱海ネット新聞)
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