熱海国際映画祭の未払い問題や齋藤栄市長の議会軽視に絡み、田中秀宝市議(自民党・公明党・女性の会 熱海梁山泊、4人)は6月21日の市議会一般質問で、事実究明を目的とした調査特別委員会、地方自治法98条に基づく「98条委員会」の設置を提唱した。26日の議会運営委員会で提案し、可決されれば名称や委員構成をまとめ、27日の6月定例会最終本会議で設置を発議する。
市長は20日の一般質問で、弁護士3人と有識者などで7月中に第三者委員会を設け、一連の問題を調査すると表明したが、「議会は議会の責任て特別調査委員会を設置する」と反発。「密室ではなく、公開の場で関係者を招いて精査したい」と訴え、市長や髪林孝司氏(フォーカス代表取締役)、市長から業務委託された弁護士などに質疑するとともに、損益計算書や貸借対照表を提出してもらう。
他会派も賛同しており、市主導の第三者委員会と議会の特別調査委員会が同時進行する可能性が高まった。
田中氏が98条委員会設置を求めた背景には、市民の反発がある。実行委員会(業務執行組合)の未払金は熱海市内だけでも約56万円。市はフォーカス社が債務を負うと主張するが、第1回熱海国際映画祭は市が実行委員会に入っており、行政が関与したことで立て替えたものだ。
思い出すのが、2004年の「熱海花の博覧会」。最終的に費用が総額8億円に達し、そのほぼ半額が市の補助金(1億5000万円)と赤字補填金(2億4200万円)で賄われた。その際、住民訴訟が起こり、一審、二審とも市側が勝訴したものの、これを重くみた市は08年に花の博覧会検証委員会を設置した。
当時を振り返り、田中氏は壇上で「短い準備期間、見通しの甘さ、弱体な組織、不十分な市民への周知が原因、との検証結果報告を受け、齋藤栄市長は『今後は今回の検証で明らかになった熱海花の博会の教訓と課題を市役所全員でしっかりと認識し、同じテツを踏まないように努めてまいります』と市民に誓った。あの時の教訓が生かされていない」と迫った。
熱海国際映画祭の問題は、ひとまず第三者委員会の設置で鎮火に向かったが、一夜にして再び炎上ー。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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