タウト「幻の地下室展」 東山(春日町)を熱海の新たな観光スポット発信

熱海駅近くの東山地区(春日町)を新たな観光文化スポットにしようと「熱海ブルーノ・タウト連盟」(矢崎英夫代表)は10月8日〜13日まで「旧日向家熱海別邸」をパネルで紹介する「幻の地下室」展を市内田原本町(仲見世通り商店街)のギャラリー藍花で開催している。
相模湾を望む高台に立つ同別邸はドイツ人建築家ブルーノ・タウトが日本に残した唯一の建築物として知られ、昨年、人気ミステリー作家の横山秀夫さんが著した「ノースライト」の舞台に登場。首都圏などからも多くの人が訪れている。
会場では別邸やタウトを解説するパネル13枚を展示し、タウトの日本滞在や、別邸所有者の日向利兵衛の死後に企業の保養所として52年に渡って当時のまま保存されたこと、篤志家が取得して熱海市に寄贈したことを「3つの奇跡」などと紹介している。映像の放映や関連書籍の展示などもある。

東山地区は、熱海有数の昭和初期の文化別荘エリア。丹那トンネル開通(昭和9年)での繁栄を見込み、実業家竹内龍雄が設立した竹内同族会社が東山の土地分譲を開始。昭和8年に第一銀行頭取だった石井健吾氏が建てた「東山荘」(登録有形文化財)、同9年に「旧日向家熱海別邸上屋」、同11年に「同別邸地下室」、昭和を代表する数寄屋建築家・吉田五十八氏が手掛けた「杵屋六左衛門旧邸」が完成し、全てが現存している。
このうち、旧日向別邸は現在、市が3億円かけて大規模保存修理中で、2022年4月のリニューアルオープンを予定している。以前はNPO法人日向家熱海別邸保存会が維持・広報に取り組んできたが、同法人は発展的解消し、矢崎代表が東山荘(現在の所有者・世界救世教)、ATAMI海峯楼(同・カトープレジャーグループ)らと「熱海ブルーノ・タウト連盟」を立ち上げ、公開再開後の運営に備えている。


矢崎代表は「東山地区は、戦前期における熱海の別荘開発と別荘建築が集中する昭和ロマンが感じられるの貴重な歴史的エリア。平成7年には世界的建築家の隈研吾氏が手掛けたATAMI海峯楼が完成し、昭和と平成の2つの時代ーの架け橋となっている。見どころがたくさんあり、JR熱海駅から徒歩15分の距離。新たな観光文化エリアとして発信したい」と述べた。
展示は午前10時半~午後4時。入場無料。問い合わせは、矢崎代表080(3217)3297へ。
(熱海ネット新聞)
■旧日向別邸 ナチス政権が急激に台頭し、日本に滞在していたドイツ人建築家ブルーノ・タウト(1880=明治13~1938年=昭和13)が日本に残した唯一現存する建築。重要文化財。 アジア貿易で活躍した日向利兵衛が昭和8年、熱海春日町に 温泉付分譲地を購入し、昭和9年から昭和11年にかけて建てた別邸。昭和27年からは民間企業(日本カーバイド工業)の保養所として使用されてきたが、平成16年、東京在住の女性の寄付を受け、熱海市が取得した。

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  1. 2020年 10月 12日

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