熱海市と市観光協会は11日、ジャカランダ遊歩道記念広場で「ATAMIジャカランダ・フェスティバル2016」のオープニングセレモニーを開催した。市は熱海梅園の「早咲きの梅」、糸川遊歩道の「あたみ桜」に続く3番目の「市の花木」として「ジャカランダ」に着目。2014年6月、都市部では国内最大級のジャカランダ遊歩道を造り上げた。
それから2年がたち、世界三大花木のジャカランダが成長し、可憐な花を咲かせたことから同フェスティバルを新設した。この日を楽しみにしていた観光客や市民が次々に訪れ、青紫の花を写真に収めたり、散歩を楽しんだ。
セレモニーでは、斉藤栄市長が最初にあいさつし、「植栽から2年。ジャカランダはすくすく伸び、熱海を代表する観光スポットだったお宮の松がよみがえった。全国で美しい環境を後世に残すことをライフワークになさっている大塚実さん(大塚商会名誉会長)が最後に取り組んだのが熱海であり、このジャカランダ。これで東海岸町の価値が高まり、ひいては熱海市の価値も高まり、お客様にも満足して帰っていただける。その貴重な場所になりつついある」と感謝の言葉を述べた。
続いて、中島幹雄市観光協会会長があいさつし、「梅園の梅、糸川のあたみ桜とブーゲンビリア、そしてジャカランダ。花の街熱海を完成させていただいた」と大塚実氏に感謝の言葉を続け、「これに魂を入れるのは我々の責務」と約束。「協会には毎日、開花状況の問い合わせが殺到している。中高年の女性にジャカランダは大変人気がある」と笑顔で話した。
遊歩道整備に尽力した大塚実大塚商会名誉会長は「世界一周の船旅のときにポルトガルのリスボン市街のいたるところに咲いているジャカランダを見て、熱海は北限だったが、お宮緑地に植えるのはこれだと思った。熱海で一番目に留まるところにあるのに、見捨てられた状態で歩く人もいなかったのがここ。ジャカランダはまだ幼木で、本領を発揮していないが、来年か、再来年には熱海の中で一番魅力ある名所になる。観光客、宿泊客も一段と増える」と言葉に力を込め、「私も老いが進み、今年で94歳。梅、桜は寒くて来られないが、ジャカランダはちょうど気候がいいし、美しさもけた違い。来年も再来年も来させていただきたい」と目を細めた。
最後に杉山利勝市議会議長が「早春の熱海は梅と桜で大勢の観光客でにぎわっている。それに比べ6月は熱海の閑散期。この閑散期をどうやって乗り切るかが課題でしたが、大塚名誉会長のご尽力でジャカランダという大きな誘客コンテンツに加わった。我々議会も市、協会、旅館関係者などと一丸となって閑散期の観光振興に取り組んでいきたい」と述べた。
ジャカランダの植栽が1990年7月にカスカイス市(ポルトガル)と姉妹都市提携したのを記念して始まったことから、高柳卓也さん(歌手)と月本一史さん(ギター)が哀愁漂うポルトガルの民俗歌謡「ファド」の演奏を披露。大西洋の西の端にあり、美しい海とジャカランダの花で知られる高級リゾート地・カラカイスを思わせるエキゾチックな雰囲気を醸し出し、セレモニーを盛り上げた。
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