熱海市網代の阿治古神社(杦嵜賢宮司)例大祭・御神幸行列が20日、挙行され、しんがりで御神船「両宮丸」が巡行した。この渡御は豊臣秀吉の小田原攻めに加わった地元の漁師たちが、戦勝祝いとして始めたとされ、豊漁と無病息災を祈願する。御神船には秀吉公から拝領したと伝わる流れびょうたん模様の布が巻かれている。
その伝統の「流れひょうたん」衣装に身を包んだ若衆たちが「ヤーヤー」の掛け声とともに重さ10トンの御神船を引きまわし、氏子町内を勇壮に渡御し、漁師町の男気を示した。
住宅地の中の狭いカーブでは一旦停止した後、「小早唄(こはやうた)」に続いて片町南町の男集が梃子(てこ)棒を巧みに操りながら「両宮丸」の向きを変えて道を突き進んだ。午後からのお上りでは熱海高校の1年生12人が「両宮丸」の引き隊に加わり、御神幸行列を盛り上げた。網代は江戸時代には「京・大阪に江戸・網代」と呼ばれたほどの漁業の地として知られ、「風待ちの港」として重宝された。当時を彷彿させる勇壮な祭りを市民や観光客が真剣に見守った。
本殿での神事では祝詞奏上などに続いて浦安の舞、境内では鹿島踊りが奉納された。安浦の舞、鹿島踊りは宮町会館前でも披露された。
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