
お盆に迎えた先祖の霊を送る伝統行事「百八体流灯祭」(多賀観光協会主催)が8月16日午後8時から、熱海市の多賀海岸で営まれた。長浜海水浴場から小山臨海公園がある中野までの約3000メートルに290基のかがり火が一斉にたかれ、先祖の精霊を送り、無病息災を祈った。
南熱海多賀地区は古くからみかんやだいだいの産地として知られ、夏になるとみかん畑の害虫駆除のため、海岸で大規模なたき火を行い、飛び込んできた害虫をまとめて除去したという。そんな伝統行事も昭和に入り姿を消したが、昭和30年代にお盆の送り火として復活。年々評判を呼び、近年は多賀地区最大イベントに成長した。
当初は文字通り108基で始めたが、今では290基まで増え、住民が総出で火をともした。京都や箱根など大規模な「大文字」の送り火はあるが、「一文字」では多賀の送り火は日本最大級。海面は橙(だいだい)色に染まり、ゆらめく炎が幻想的-。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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