コロナ時代の「新しい生活様式」、カウンター席に「仕切り」 あたみ田中家

新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が全面解除され、首都圏からの観光客が約8割りを占める熱海市では、ほとんどの飲食店が営業を再開した。しかし、どの店も客を呼び込みたいが新たな感染リスクというジレンマを抱え、客足の回復に知恵を絞っている。
5月27日に営業を再開した熱海市役所前の横浜家系ラーメン「あたみ田中家」では、カウンター席に板で「仕切り」を設け、「おひとりさま」スタイルにリニューアルした。当面は15席あるカウンターを客同士が密接しないよう1席ずつ空けて営業。料理はスライド式のボードを開閉して提供し、テーブルも横並び席にするなど、感染防止に細心の気配り。
店主の田中悟志さんは「隣の席との間に仕切りがあるので周りを気にせず、安心して飲食が楽しめます。仕切りを取り外せばカップルシートとしても利用いただける。今回のリニューアルは、コロナの感染防止の目的もあるが、政府が提案している『新しい生活様式』に沿ったもので、今後はこのスタイルでやっていく」と話した。


多くの飲食店が、感染症拡大に伴う市の休業要請(4月25日〜5月20日)が開けた21日から通常の営業を再開させる中、同店は3密対策を優先させた。自治体の中には、こうした感染防止の施設修繕や物品購入に対して補助するところもあるが、熱海市にはなく、これが悩ましい問題…。
「休業中はラーメンや餃子、炒飯などのテイクアウトにトライしたが、うちに限らずどの店も利益というより、店を忘れられないようにやっていたようなもの。再開してもまだまだ苦しいが、お客さんからも好意的な声が多い。安全対策を徹底することで、外食を自粛していた人たちを呼び込みたい」と期待を込めた。
市内飲食店の願いはただ一つ。客足の回復。「おひとりさまスタイル」という「新しい生活様式」が、解決の大きなヒントになる。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■あたみ田中家 熱海市中央町1ー5 水梅ビル1F  050-1540-5602

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