熱海市の熱海芸妓(げいぎ)置屋(おきや)連合組合は10月17日、新型コロナウイルスの影響で2月末から休演していた「湯めまちをどり 華の舞」を熱海芸妓見番歌舞練場で再開した。
華の舞は、芸妓衆のあでやかな踊りがお座敷でなくても楽しめる熱海温泉の人気イベントで、通常は毎週土曜と日曜に開催してきた。8カ月ぶりの再開にあたり、感染予防対策として、客席は通常の半分の約50人に制限し、1メートル以上の間隔を確保。唄(うた)いは透明のアクリル板に入り、地方や接客係はフェースガードを着用して臨んだ。来場者の入場時には検温と手指の消毒、マスク着用などの対策を求めて続開した。
演目は、秋から冬に移り変わる紅葉の風情を表現した端唄「紅葉の橋」で始まり、「勢い肌」「河太郎」「深川くずし」「けんかかっぽれ」「四季の彩り」と続き、恒例の「三下り甚句」で締めた。若手芸妓の琴千代さんは、華の舞では初めて日本髪で舞い、公演再開に花を添えた。
西川千鶴子組合長によれば、コロナの影響でお座敷の激減や華の舞公演の中止で今年初めは約80人だった芸妓数が、現在は70数人になったそうで、「芸妓の多くが自分で考えてアルバイトで生計を立ててきた。旅館ホテル、飲食店などどこの業種も大変な中、みなさんから激励を受け、やっと幕を開けることができた。本業の芸者の仕事がたくさん増えるように精進していく」と述べた。
人気芸妓の小夏さんは「(コロナの影響による客の減少で)下向きにならず、逆にこれをチャンスととらえ、若い人たちや世界の方々に熱海の芸妓文化を知っていただけるよう努めたい。お姉様方の背中を見ながら、芸妓文化を引き継いでいく」と決意を新たにした。
公演は土曜2回(午前11時、午後1時半)、日曜1回(午前11時)開催する。
(熱海ネット新聞)
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